みなさま、お疲れ様です。
harutoです。
こんな人に読んでほしい
海水水槽を始めるにあたって、海水の作り方を詳しく知りたい。
今までなんとなく海水を作っていたけど、他の人の作り方を見てみたい。
今回は海水水槽に入れる海水についてのお話です。
これを読めば、海水を作る際の不安やモヤモヤしたものが解消されるはずです。
海水は海水魚やサンゴを飼育するためには絶対必要です。
海水水槽にチャレンジしたい方は是非とも読んで欲しいと思います。
海水は人工海水の素で作るのが一般的です!
海水魚やサンゴを飼育するためには当然ながら、海水が必要になってきます。
その海水はどうやって用意するのでしょう。

海から汲んでくればいいんじゃない?
たしかに、近くにキレイな海があればそれも可能かもしれませんが、なかなか難しいですよね。
そこで必要になるのが人工海水の素です。
これを水に混ぜるだけで簡単に海水を作ることができます。

台所にある「食塩」ってやつだね?

それじゃあダメだよ。ただしょっぱい水になっちゃうんだ。
そうなのです。しょっぱいだけで、栄養が含まれていないのです。
実際に海の水にはカルシウムやマグネシウム、その他多くの成分がいい感じに含まれているのです。
ミネラルが豊富みたいに言いますよね。
海の生き物が生きていく、成長していくためには、その成分が必要不可欠というわけなのです。
なのでその「いい感じの海の水」を再現しなくてはいけません。
そこで人工海水の素です。
ぱっと見はただの塩なのですが、先ほど言った海の成分がいい感じに配合されています。
人工海水の素は各メーカーから色々な商品が出ています。
商品ごとにある「○リットルに□グラムの素を混ぜれば比重△△△の海水が○リットル作れます。」って書いてますので、それを守れば誰でもいい感じの海水が作れてしまいます。
比重とは
ここで言う比重とは水に塩分やらがどれくらい溶けているかという考え方で、塩分濃度と同じことです。どれくらいしょっぱいかということです。
人工海水の素が多く溶け込んでいると、比重は高くなります。
ここでは水にどれだけ塩が溶け込んでいるか、という考え方でいいかと思います。
塩分濃度と考え方は同じでいいと思いますが、今後は比重という言葉で表現していきます。
この比重ですが、高すぎても低すぎてもダメなのです。
これもまたちょうどいい比重にしないと生き物たちに大きな影響を及ぼします。

なんだか海水水槽は最初の段階から難しいなー
そうなんですよね。
金魚やメダカ、熱帯魚の飼育と大きく異なるのが、まず海水を作らなければいけないというところでしょう。
でも大丈夫です。しっかりとポイントを押さえれば、誰でもできますよ。
必要なものはこちら
海水を作るのに必要なものは、こちらです。
- 人工海水の素
- 比重計
- 10リットルくらいのバケツ
- カルキ抜き(必要なら)
- 温度計
- ヒーター(あったら便利)
- 電子はかり(あったら便利)
人工海水の素

いやいや、種類が多くて何を買えばいいのかわからないよ!
めっちゃ高いやつもあるし、迷うなー。安いやつでもいいのかな?
説明しますね。
何がそんなに違うの?ってところですが、
実際のところ、どれを使って海水を作っても海水魚、サンゴは飼育できます。
違うのは、海の栄養がどれだけ入っているかなんです。
色々なメーカーの海水を説明書どおりに作成し、ちょうどいい比重1.023の海水を10リットル用意したとします。
それらの海水の比重を一緒にしたとしても、中に入っている成分が変わってきます。
大きなところで、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、重炭酸塩(KH)などの主要成分が異なります。
値段が高い人工海水の素にはその主要成分が多く入っていたりします。
この主要成分は主にサンゴの育成に必要不可欠であり、成長を促進させる目的で購入します。
しかし、海水魚だけを飼おうとしてる場合は、特に考える必要はなく、安いものでもいいと思います。
私が使用しているものですが、アクアリウムシステムズ社のインスタントオーシャンというものです。
使用している理由としては、コスパがいいからです。
いつも箱買いしてます。
45㎝キューブ水槽で毎週10リットルの水換えを行って、1年以上は余裕で持ちます。
ちびちび購入するよりも、長い目で見たら圧倒的にお得です。
これで問題なく魚とサンゴを飼育できています。
ちなみに水道水に入っている有害な物質、カルキを抜く成分が入っている商品もありますが、こちらは入っていませんので、別途カルキ抜きを用意する必要があります。
カルキとは
カルキとは塩素のことです。塩素には強い殺菌力があり、水道水の原水である河川や湖の水の中にいる病原微生物の細胞膜を破壊して、死滅させます。この塩素の量はごくわずかであり、人間がそのまま飲んでも人体に影響はないと言われています。ただ、魚のような小さい体では影響してくる危険性があります。また、水をきれいにしてくれるバクテリアも殺してしまうことになるので、カルキは必ず抜くようにしましょう。
水をキレイにしてくれるバクテリアの話はこちらの記事に詳しく書いてますので、お時間があれば是非読んでください。
生物濾過について詳しく解説しています!

比重計
海水の素と一緒に揃えてほしいものが、比重計です。比重を簡易的に測定する道具です。

説明書どおりに水と塩を混ぜればいいんだから、塩分濃度を測る必要なんてないんじゃない?
たしかにそうかもしれませんが、1回に作成する海水の量が増えると数値は少しずつズレますし、しっかりとした海水を作るためには必要です。
そして、日々水槽内の比重を維持するためにも必要になる道具なのです。
はじめは安いプラスチックの簡易的な比重計で十分です。これで比重を1.020〜1.023を目指します。
これは比重が上がると浮きやすくなるという性質を利用しているものです。
川の水よりも海の水の方が体が浮きやすくなる経験をしたことがあるかと思いますが、あれです。
塩分濃度が上がれば、中にある針が浮き上がり、止まります。
そこに書いてある数値を読み取ります。
比重計の注意点
注意してほしいのは比重計は壊れます。
そして壊れたことが分かりにくいということです。
自分が海水魚、サンゴ飼育をスタートし、何年か経った時の話です。

なんだなんだ?昔話か??

失敗したっていう話じゃないかな。

大事な話をするみたいだから黙って聞こう!
いつものように水換えをするため、海水を作成していました。
いつもどおり、バケツに水を入れ規定量の人工海水の素を入れる、安い比重計で測るっていうのをやっていたのですが、比重が少し低く出ていました。
比重を調整するため、人工海水の素を入れ、測るを繰り返し、ちょうどいいところでやめる。
そうやって作った海水で定期的に水換えを行なっていました。
水槽の比重も定期的に測定して比重を1.023になるように維持していましたが、実はこの時、比重計が壊れていたのです。
サンゴの調子が悪い、開きがイマイチだな・・・
そんな感じで不思議に思い、ショップに海水を持って行き、比重を測定してもらったら、高すぎて測定不能・・・
海水を作る際に比重を測っていた時、本当は適切な比重でした。
比重計が壊れていたせいで、追い塩をしてしまい、そのせいで水槽の塩分濃度を少しずつ上げてしまう結果になってしまったのです。
なので、少しでも比重が合いずらいなと思ったら、故障を疑った方がいいかもしれません。

ただ、故障しているのが分かりづらいのが問題なんだよねー
そのときにお店でオススメされたのが、屈折比重計というものです。
これは誤差が生じづらくかつ、故障しづらいとのことです。
実際に今私も使用していますが、とても使いやすいです。
ただその分値段は上がります・・・。
まずは一般的なプラスチックの比重計を使ってみるのでも全然問題ありません。
安いですからね。
サンゴを飼育している方でシビアに塩分濃度を測定したいって方は屈折比重計を使用しましょう。
ただ何年も使用していれば道具はいつかは壊れますので、そのことも頭の片隅に入れておいてもいいかもしれません。
その他必要なもの、あったら便利なもの
カルキ抜き
こちらは先ほど説明したとおり、水道水に含まれるカルキ(塩素)を中和するためのものです。
購入する人工海水の素にカルキ抜きの成分が入っていなければ、購入する必要があります。
ただこれに関してはなんでもいいです。安いやつで十分です。
10リットルくらい入るバケツ
海水を作る容器です。
いつもは週に一度10リットルの水換えを行っており、10リットル作れるもので私は十分です。
10リットル作成した際にバケツから溢れそうになるギリギリの容量ではなく、少し余裕のある容量のバケツがいいと思います。
ただ、毎回30リットルの海水を作成するとなると、それを全部入れられる容器も必要ですね。
例えばニトリやホームセンターに売っているプラスチックの衣装ケースなんかがちょうどいいですよ。
できれば、海水を作る用と水槽の水を抜く用の二つがあればベストですね!
私が使用しているのはこちらです。注ぎ口が付いていて便利です。
温度計
作成する海水を25度前後にする必要がありますので、それを確認するためにはあった方が便利です。
ただ、慣れてくると感覚でわかったりします。
初めのうちはしっかりと測るようにしましょう。
水槽につけるものと併用してもいいと思います。
こちらはバケツに浮かべて温度を測ることができます。
ヒーター(あったら便利)
作成した海水を25度前後にするためにはあったら便利ですよ。
温度調整機能があるヒーターを入れておけば、25度前後で自動で止まりますので、ほったらかしでオッケーです。
ただ、水槽から毎回取り出さなくてはいけませんし、別で購入するほどではないような気がします。
なので、だいたいの温度で海水を作り、あとは温度計を見ながら沸かしたお湯を足していくというのでも調整は可能です。
新しく買うのであれば、小さな安いやつでいいです。
海水作るために高いのなんて買ってられませんから。
電子はかり(あったら便利)
キッチンにあるお菓子作りとかで使うあれです。
人工海水の素の量を測ります。
専用のカップも売られていたりしますが、グラム数を数字で見ながら少しずつ調整したほうがわかりやすいですし正確だと思っています。
これもなんでもいいです。安いやつでも十分測れます。
必要なものも揃ったし、さっそく海水を作っていきましょう!
いよいよ海水を作りますよ。今回は10リットルの海水を作っていきます。
まずはバケツに水を入れます。この際、RO水がいいよって言いたいですが・・・言わないです。


RO水?
RO水とは
アクアリウム専用に作られた浄水器のようなもので水道水の中に入っているあらゆる成分を除去した超絶綺麗な水みたいな感じです。もちろんカルキも抜かれた水です。この水を使うことで、余計なコケの発生を抑えられるなど、水質に関するトラブルが発生しにくくなるとのことですが、私自身使用したことがないため、いいらしいとしか言えません・・・
なので、私は普通の水道水を使用しています。別にカルキを抜けば普通の水槽水でも問題ありませんので。RO水じゃなくても全然問題ありませんよ。

RO水の浄水器買えないから水道水で我慢してるんでしょ?

言うなって、別に水道水でも問題ないんだから。
みなさんはお金に余裕があればRO水の浄水器を購入してください。
こちらの記事でもRO浄水器について紹介しています。
コケを減らすための資機材でRO浄水器を紹介しているよ!

住んでいる地域によって水道水の水質は変わりますので、一概には言えませんが日本の水道水はキレイとのことです。
海水魚やサンゴの飼育にはそこまで影響は出ないと思っています。
少しでもいい水を使いたいと思い、RO水じゃない浄水器の水を使います。
ただ、温度が結構冷たいです。
ですので、ヒーターを入れて水温を25度前後に調整します。
ヒーターを使用しない場合は、お湯を入れながら微調整しましょう。
そして、カルキ抜きを入れます。

そしてよく混ぜましょう。
私がいつも混ぜるのに使用しているのは、ダイソーで買った100円靴べらです。
決してふざけている訳ではありませんよ!
程よく長さと強度があり、使用しています。これもなんでもいいです。手で混ぜてもいいです。

人工海水の素を用意します。

今回は先ほど紹介した、インスタントオーシャンです。
記載では、1.023にするためには10リットルの水に対して、360グラムの人工海水の素を入れるとなっています。
私は、10リットルに対して、人工海水の素を400グラム入れています。これで比重1.025の海水が出来上がります。
サンゴも飼育しているため、少し高めの比重でやっています。
初めての方は1.023で大丈夫ですよ!
そして、毎回使うものなので、必要なグラムを記載しておくと便利ですよ。

ポイントとして、一気に入れるのではなく少しずつです。
そうすることで溶け残りが少なくなるように感じます。
注意して欲しいのが、先に人工海水の素を入れたバケツに水を入れないようにするということです。
それをしてしまったら、一時的に濃い海水が出来上がり、成分同士がケンカみたいな感じになって、結果、全体的にうまく溶けずに結晶として残ってしまうとのことです。
必ず水に人工海水の素を入れるやり方で行いましょう。
入れたらまたよくかき混ぜましょう。
溶け切って透明になったら完成ですので気長に待ちましょう。
だいたい20分くらいは待ってます。
エアレーションをしたほうがいいとか言うのを見るんですが、特に必要ないです。
水流ポンプをバケツに沈めておけば、より拡散されて溶けるが早くなりますが、そこまで急ぐ必要もないのでやってません。
初めて水槽を設置する方は、水槽で海水を作るやり方があります。
水槽に入れた水量を覚えておき、それに応じた人工海水の素を入れます。
生き物が入っていなければ、調整をしながら海水を作るのでもいいでしょう。
水が透明になったら、比重計で比重を測定しましょう。
比重を測定する前にもう一度全体を混ぜます。
これは濃い部分薄い部分がある可能性があるので、均一の濃さにするためです。
目標の1.023になっていればオッケーです。自分は1.025ですね。

ここで思ったような数値でなければ水や人工海水の素で調整するのですが、最初に入れたグラム数と追加で入れた人工海水の素のグラム数をメモしておくといいでしょう。
最終的に完成した海水に使用した人工海水の素のグラム数がわかるはずです。
次に作成する際は微調整後のグラム数を入れることができます。
何回かやっていると一発で決まるようになります。
10リットルで○グラムの人工海水の素が必要というのがわかれば、もう何も考えずに海水を作れるようになります。
何年もルーティンでやっていく中で、比重が合わなくなってきたと感じたら要注意です。

比重計が壊れているサインかもしれないということだね・・・
比重は毎日変化していく
最初にちゃんとした海水を作成しても、比重は日々変化してしていきます。
なぜなら、水槽から水分が蒸発していくからです。
夏場など、部屋の湿度が高い日などは、そこまで蒸発はしないです。
しかし、冬場に暖房をつけたりすると、部屋は乾燥し、蒸発も加速します。
水が蒸発するとどうなるかというと、水槽の中の塩分濃度がどんどん上がっていきます。
つまり比重が上がっていきます。
それを防ぐためには、蒸発した分の水を入れてやる必要があるのです。
水槽の水面に目印をつけておき、そこから水位が下がったら、下がった分だけ水を足すというのがわかりやすいです。

ここで追加する水もカルキを抜くのを忘れないようにしなくちゃね!
カルキを抜いた水を大きなペットボトルで作っておき、それを足していくのが便利ですよ。
目印としては、水温計のゴム部分を目印にするのもいいかもしれませんね。
中には塩分濃度を一定に保つため、自動で水を補給するシステムもありますが、初心者はなかなか用意できないと思います。
目印から下がった分の水を定期的に追加する方法がいいかと思います。
ただし、1回に入れる水の量が多くならないようにしたいです。
塩分濃度の変化は、出来るだけ最小限に抑えるために、こまめな足し水をしましょう。
そして、定期的に比重を測定するのを忘れないようにしてください。
比重が低くなるということはあまり考えにくく、あるとしたら、最初に作成した海水の塩分濃度が低いか、追加で入れる水を入れすぎてしまうかだと思います。
なので注意するのは比重が上がることだと思います。
塩分濃度の変化による影響
魚への影響
はじめに比重が低い時ですが、
比重が1.020以下になってしまうと海水魚の体色が薄くなると言われ、場合によっては衰弱してしまいます。
ただ、今までの経験で比重が薄くて困ったということが無いので、正直わかりません。
次に、比重が高い時ですが、
比重が1.028以上になってしまうと、餌を食べても痩せるなどと言った症状が出ます。
これに関しては、自分も経験しています。
上でお話した、比重計を信用仕切っていたことによる失敗ですね。
この時は、魚たちが餌をしっかりとあげているにも関わらず、どんどん痩せていきました。
餌をあげてもあげても痩せていくような状況であれば、高比重を疑った方がいいかもしれません。
ただ、比重は1.026くらいまで上げてあげたほうが、体色が良くなると言われています。
ただし、少しでも比重が上がれば危険な状況になるため、しっかりと比重を維持できる方のみ実施するべきだと思います。
水の蒸発にも十分対応でき、余裕を持たせるという意味で初心者には1.020 〜1.023をおすすめしているんですね。
サンゴへの影響
サンゴの場合、比重が低いとサンゴの育成に必要な栄養が少ないため、弱っていくようです。
こちらも経験がないのでどのように変化していくかはわかりません。
比重が高い場合は、栄養が豊富にあるということなので、サンゴがイキイキしてすくすく成長します。
実際にサンゴが綺麗に大きく育っている海の比重は1.027近くあるとのことです。
ただし、1.028以上の高比重になってしまうと、調子を崩します。
印象としては、ポリプが開かなくなり、全体的に縮んでいくような気がします。
色も薄くなり、そのままダメになってしまった子もいます。これは経験済みです・・・
栄養が多いに越したことないような気がしますが、そうではないんですね。
1.027のような高比重でキープできればいいですが、どうしても狭い水槽だとすぐに比重が上がってしまい、リスクが大きいです。
なので、自分は少し高めの1.025をキープするように意識しています。これで魚もサンゴも調子はいいです。
最後に
海水魚を飼う際には必ず必要になる海水。
いろんなメーカーがあって何を使うか、また比重はどれくらいでキープするか、アクアリストによってさまざまな考え方があると思います。
もしかしたら、ダメだよって言われている数値でサンゴや海水魚がイキイキしていることもあるかもしれません。
なので、自分の経験の中で、これだっていうのを見つけていってほしいと思います。
最初は初心者におすすめの1.020〜1.023で飼育してみて、少しずつ試行錯誤していってほしいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。