こんにちは、harutoです。
こんな人に読んでほしい
海水水槽をはじめたばかりの初心者です。
サンゴというのを飼ってみたい。
ウミキノコ?そのサンゴは魅力あるの?飼育方法を教えてほしい。
海水水槽を始めてしばらくすると、サンゴを入れたくなってきます。
初めてサンゴを飼育する方にもオススメのサンゴ、ウミキノコについて解説してきます。
ぜひ参考にしていただきたいと思います。
ウミキノコはそこまで高くないし、飼育難易度も比較的簡単!
ウミキノコは自分が初めて飼育したサンゴです。
サンゴの中でも比較的安い価格(2000円〜3000円くらい)で購入できます。色が蛍光グリーンとかのレアキャラだともっと値段が高くなります・・・
見た目にも綺麗で、水槽の主役になれるサンゴだと私は思います。
分類としてはソフトコーラルというサンゴで、トサカの仲間に分類されます。
ソフトコーラルとは
訳すと「やわらかいサンゴ」というとおり、固い骨格を持っていません。正確には細かい骨片を持っているらしいのですが、触ってみるとふにっと柔らかいです。死んだら骨格が残らないで溶けてしまうのが特徴です。固い骨格を持つハードコーラルは死ぬと根本の骨格が現れます。
そこまで難しくはないし、成長も早く、大きくなればカットして増やせるという面白さもあって、初心者にもオススメのサンゴだと思います。
ウミキノコっていうだけあって、キノコみたいな見た目をしています。ポリプを出している時はゆらゆらしていてキレイですが、ポリプを閉じていると、ただのエリンギです。

ただのエリンギは失礼じゃないか。
失礼。
そんないろんな姿を見せてくれるウミキノコについて自分の経験を交えたお話をします。
先ほど飼育は難しくはないと言いましたが、正直、生かすことが目的であれば飼育は簡単なサンゴであると私は思います。
しかし、二次ポリプを咲かせるのはなかなか難しい印象があります。
長く伸びたのを一次ポリプ、その先で花のように咲いているのを二次ポリプと言ったりしますが、一次ポリプは簡単に伸ばしてくれます。
しかし、その先の二次ポリプを満開に咲かせようと思っても、なかなか思うようにいかないのです。
ここにレイアウトしてキレイに咲いてほしいと思っても、一次ポリプのみで二次ポリプはいまいちで・・・なんてことも多々ありました。
どうして咲かないの?ウミキノコさん。

いや、自分でもよくわかんないんだけど、ただ調子悪いってこともあるし、置いた場所の水流とか気に入らないときなんかは咲く気にならないよね。
あるのよ。これこれっていう場所が。
なるほど・・・
生体の状態にもよるのかもしれませんが、なかなか奥が深いサンゴだなーと感じますね。
だからこそ、レイアウトした先でキレイに満開のポリプを咲かしてくれたらとても嬉しいのです。
ウミキノコを飼育するための環境
自分が感じた飼育のポイントをお伝えしていきます。
水温について
温度変化に対する耐性がどこまであるかはわかりませんが、25度前後をクーラーで維持すれば問題ありません。
ただ、夏場の水槽の引越し等で、衣裳ケースで1日入れておいた際に、28度くらいに上昇しましたが、それくらいの温度変化には全然へっちゃらでした。
以前、クーラーが25度にしようと稼働していたけど、センサーが壊れていて、22度近くまで冷やされていることがありました。
その時も、へっちゃらでした。強いんですねウミキノコさん。
水質について
水質に関しては、ミドリイシなどに比べるとそこまでうるさくないですが、硝酸塩やリン酸塩を低めに抑えた方が、キレイに成長する気がします。
硝酸塩は高くても10前後に抑えましょう。リン酸塩は少ないに越したことはありません。
硝酸塩を抑えるには添加剤も有効です。
こちらの記事を参考にしてみてください。

大量換水等による水質の変化には敏感で、しばらくポリプを出さないことがありますが、気長に待てばしっかりと出してきます。
他のサンゴにも言えることだとは思いますが、できるだけ水質の変化を起こさないように気をつけましょう。
カルシウム等の主要元素やヨウ素等の微量元素の添加等は特に気にしないでも飼育できますが、何かの元素が足りない状態の時にポリプを出さないというときがありますので、そういう場合の簡単な方法は水換えだと私は思います。
水換えを行い、蓄積された硝酸塩とリン酸塩を除去、そして海水に含まれる栄養を定期的に追加してやることで、綺麗なポリプや成長の促進につながると感じます。
ピンポイントで足りない成分を理解し、補えればいいのですが、初心者だと分かるはずもないので水換えが一番いいでしょう。
海水をつくるときもしっかりと比重を測ってから入れましょうね。

水流について
ポリプがゆらゆら揺れるくらいがちょうどいいと思います。あまりに強いとポリプを出さない、出しても短くキレイではない印象です。
よく飼育方法が記載されている記事とかみると「強すぎず、弱すぎず」ってのを見るんですけど、その調整が難しいんですよね・・・
表面にゴミが溜まるとポリプを出さない原因になりますので、ゴミを飛ばすという意味でも水流は大事だと思います。
置く場所によっては水流が変わりますので、ポリプが全然出ないなら置く場所を変えてみて、ちょうどいい水流を探ってみましょう。
水流の強弱をつけて本当の海のような「ザブンザブン」を再現できる高性能な水流ポンプも出ていますので、もし余裕があるのであれば購入するのがおすすめです。
ただ、ショップで水流がゼロの空間でも満開にポリプを出しているのを見たことあるので、正直よくわからんです。

よくわからんとか言うなよ。
照明について
弱い光でも飼育はできると思いますが、しっかりとしたサンゴ用のLED等を当ててやることで、ポリプがキレイに伸びていく印象です。ただし、照明の直下など光が強いと、ポリプが出ないこともあります・・・。
これもまたちょうどいい場所を探しましょう。
餌は必要?
特に必要はなく、光合成だけで十分成長します。ただ、レッドシーさんのリーフエナジー等、液体フードを与えると成長が早くなります。
飼育ポイントまとめ
水温
25℃前後をキープしましょう。
水質
硝酸塩、リン酸塩はできるだけ少ないほうがいいので、添加剤で下げるか、定期的な水換えを行いましょう。
水流
強すぎず、弱すぎず、全体がゆらゆら揺れるのがちょうどいいです。
光
弱い光でも飼育は可能、サンゴ用のLEDがあればよりいいです。照明直下は避けましょう。
餌
特に必要はないが、液体サンゴフードをあげると成長が早くなります。
ポリプが出ない時に確認してほしいこと
飼育していてポリプが出ない、ツルツルのエリンギのままっていう時には先ほどお伝えした点について確認してほしいです。

エリンギじゃねーし。
ちなみに写真はツルツルというよりブツブツなエリンギ、いやウミキノコです。この状態、もしかすると苦手に思う人もいるかもしれませんよね・・・


完全にエリンギじゃねーか。
それでもやっぱりエリンギになる時は、脱皮かもしれません。
そうなんですよ。脱皮するんですよ。
ウミキノコが脱皮をしている間はポリプを出しませんので、気長に待ちましょう。
表面にコケのような膜のようなぺりぺりが見えたら脱皮の皮だと思います。
この膜をやさしく除去してあげるためにも水流は大事だと考えます。
ショップから購入し、水槽に入れた直後もポリプを出しづらいと思いますが、ポイントをしっかりと守ればいつか必ずポリプを出してきますので、信じて待ちましょう。
成長スピード

こちらが水槽に入れた直後の様子です。
ここから・・・約半年後がこちらです。

こうなります。
茎も伸びてポリプもフサフサです。しっかりと立派に育ってくれました。

購入から1年くらいでしょうか。
ナウシカの最後のシーンみたいになってます。
順調に育ちすぎて、45㎝キューブ水槽では目立ちすぎてしまいます。
でかくなりすぎたので、後ろの方に追いやってしまいました。
見てわかるように、下から茎がにょーんと伸びています。
さすがに大きすぎたので、カットしました。
ウミキノコをカットしよう!
カット方法
切れ味のいいカッターでスパッといくか、同じく切れ味のいいハサミでばっさり切ってください。
注意してほしいのは、市販のカッターの刃などはサビ防止で油が塗られている場合が多いため、事前に拭き取ることをお勧めします。
海水ショップなどにはサンゴのカット専用のメスやハサミも売られています。
今後サンゴをカットする機会が増えるのであれば、購入するのもいいかもしれません。
切る感覚ですが、水につけた椎茸を切るのと同じで簡単に切れます。
これほんとに死なないの?って思うかもしれませんが、意外と大丈夫です。
とんでもなく切り刻んだらダメだと思いますが、ぶつ切り程度であれば問題ありません。
薬浴させよう!
カットしたウミキノコは丈夫とはいえ、弱っている状態です。
この状態だと病気に感染する可能性もあります。
ですので、カットした後は薬につけるのをオススメします。
薬と言っても、中身はヨウ素です。
細菌類からの感染を予防し、さらにすでに抵抗力が低下したサンゴに再び活力を与えるための活性剤なのです!
うがい薬みたいなこちらのリーフディップを海水に規定量混ぜると、ディップ液の完成です。
カットしたあとはこのディップ液に浸しましょう。
時間は1分くらいで十分です。
説明書きにはもう少し長い時間つけるよう書いていますが、カットしたてのサンゴであればこれくらいでいいらしいです。
土台に乗せよう!
これはカットの前にやっておいてほしいことですが、カットしたウミキノコをくっつける土台を用意しましょう。
小さめのライブロックやプラグがいいでしょう。
安いもので大丈夫です。いっぱい入っている方がお得だったりします。
そして、サンゴ用の接着剤も用意します。
この接着剤は出してみるとドロドロしているアロンアルファみたいな感じです。
水中につけると固まります。
ウミキノコにこの接着剤をつけて、土台にくっつけようと思っても、ウミキノコの粘液によってすぐに外れてしまいます。
そこでもうひと手間加えます。
爪楊枝を半分に切ったものを用意し、尖っていない側を下にし接着剤に立てます。
その上からウミキノコをプラグの一番下まで差し込みます。
切った後にさらに串刺しなんて、かわいそうですが大丈夫です。

こんな感じに用意して、、、

こうです。
まだグラグラしていると思いますが、立てた状態で海水につけてやるとそのうち固定されます。
ウミキノコがプラグから外れそうになっても爪楊枝のおかげで飛ばされずに済みます。
水槽には水流がありますから、この作業をしないと秒で飛んでいきます。
とんでウミキノコです。
カットしてから
茎部分を切って、傘の部分を4等分にカットしました。写真ではプラグから浮いてきてしまっていますが大丈夫なのです。茎が下に伸びていき、そのうちくっつくのです。

完全にウミキノコとプラグが一体となってから、爪楊枝を外します。
この爪楊枝を外すタイミングが早いと、ウミキノコもまた飛んで行ってしまいますので、注意です。
爪楊枝を外したら次第に穴が塞がっていきます。
すごい生命力だ・・・
そして約3ヶ月で・・・こんな感じです。

こうなりました。ウミキノコファミリーですね。

ここまで密集すると気持ちが悪・・・

気持ち悪い言うなや

密集したいって頼んだわけじゃねーし

こっちだって窮屈してるんだって
ウミキノコをカットするとまったく同じ個体が増えます。クローンですね。
切り刻んでもここまで成長してくれるのを見ると、本当にすごい生命力だなーと感じますね・・・
ちなみに株分けやレイアウトする際にウミキノコには素手で触らない方がいいです。
なぜなら、とても臭いからです。
なんとも言えない、嗅いだことあるようなないような・・・

臭いとか言うなや!生きてる証拠や!
石鹸で何度も洗えば取れるんですが、使い捨てのラテックス手袋をすることをオススメします。
まとめ
自分が初めて買ったサンゴということもあり、ウミキノコにはすごく愛着があります。
ポリプが出なくてどうしようと悩んだり、ポリプが出始めて喜んだり、カットして増やす楽しさを教えてくれたり、サンゴにのめり込んだきっかけを作ってくれたサンゴと言っても過言ではないと思います。
皆さんも、ウミキノコを育ててみてくださいね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。