ナガレハナサンゴの飼育方法について徹底解説!

こんにちは、harutoです。

こんな人に読んで欲しい
・ナガレハナサンゴの飼育方法や飼育難易度について教えてほしい!
・ユラユラ系のLPSの仲間を飼育してみたい!
・サンゴ初心者からステップアップしていきたい!

今回は、サンゴの中でも少し難易度の上がるユラユラ系LPS、ナガレハナサンゴについて解説していきます。

似た様な種類でコエダナガレハナサンゴというのもいます。
それについてはこちらを見てください!

目次

ナガレハナサンゴとはどういうサンゴ?

固い骨格を持つハードコーラルであり、その中でもLPSという種類に分類されます。

ハードコーラルとは
訳すと「固いサンゴ」というとおり、固い骨格を持っています。ふわふわユラユラとイソギンチャクのように柔らかそうな見た目をしていますが、根本には固い骨格があり、そこからふわふわしたポリプを出します。死んだら骨格が残るのが特徴です。ソフトコーラルよりも水質に敏感で、飼育難易度が高くなると言われています。

LPSとは?
ハードコーラルはさらにポリプの大きさの違いから、LPSとSPSとに分かれていきます。ポリプが大きいものがLPS(Large Polyp Stony)、ポリプが小さいものがSPS(Small Polyp Stony)です。見るからにトゲトゲしていて固そうっていうのがSPS、ゆらゆらふっくら柔らかそうなやつがLPSっていうイメージです!

ナガレハナサンゴは、腎臓のようなハンマーのような独特な形をしたポリプを持っており、ユラユラ揺れる綺麗なサンゴです。

色のレパートリーですが、ベージュや蛍光グリーンの種類をよくショップで見かけます。

その他にも、ポリプの先端がパープルのものなどもあります。


骨格が枝状のものはブランチと呼ばれており、この枝が分裂していくつもの房ができていきます。

ブランチのほかにもウネウネと曲がった骨格を形成していくタイプもあります。学術的にはフラベローメアンドロイド型と言うらしいです。

調子が悪くなると、一部分の骨格が露出してしまいます。

個人的には枝状のブランチタイプの方が成長しやすく、レイアウトもしやすいです。また、大きくなった際に、株分けもしやすいため、ブランチタイプをオススメします。

ポリプが水流にユラユラ揺れる姿は、誰もが綺麗と思うでしょう。

いわゆるユラユラ系のサンゴと言われているやつですね。

個人的にも、コエダナガレハナサンゴと同様、サンゴ飼育の初めに憧れたサンゴでもあります。

ナガレハナサンゴの飼育難易度は?

ナガレハナサンゴなどのLPSの仲間は、ソフトコーラルよりも一般的には難しいとされています。

ウミキノコやトサカを上手に飼育していたとしても、この種のサンゴを入れた途端にダメになってしまうというのが多々あります。

しっかりとした水質管理を行う必要があるため、初心者には難しいと感じるかもしれません。


ナガレハナサンゴのようなユラユラ揺れる系のサンゴを上手に飼うコツですが、どれだけ水槽の環境を安定させることができるかだと思っています。

水槽の環境を安定させるというのは、水温、塩分濃度を常に一定にし、硝酸塩やKH、カルシウムなどの水質パラメーターが頻繁に上がったり下がったりの変動がないようにするということです。

ソフトコーラルと違うところは、環境の急激な変化によって、すぐにダメになってしまうところでしょう。

ソフトコーラルだと一度調子を崩しても復活してくれる印象がありますが、ナガレハナサンゴなどは一度ダメージを受けるとそのままダメになっていき、骨格だけになってしまいます。

状態が良ければ復活してくれるのですが、弱っていたり小さい個体だったりした場合はすぐにダメになる気がします・・・

何よりも水槽環境の安定化が重要です。

水槽の環境を安定させるという意味では、大型水槽の方が圧倒的に飼育しやすいと言えるでしょう。

小型水槽になればなるほど難易度は上がります。

自分の水槽は100リットル程度の中型水槽ですが、失敗なく飼育できています!

定期的な水換えを行い、必要な主要元素を補いながらしっかりと水質を維持していけば問題なく飼育できるサンゴです。

少し難しいかもしれませんが、挑戦し甲斐があります!

同じ仲間であるコエダナガレハナサンゴと難易度はそこまで変わりませんが、感覚的に言うとナガレハナサンゴの方が少しだけ神経質のような気がします。

ナガレハナサンゴを飼育するための環境

自分が感じた飼育のポイントをお伝えしていきます。
ちなみに近縁種であるコエダナガレハナサンゴと飼育のポイントはほぼ一緒と考えて大丈夫です。

水温について

温度変化に対する耐性がどこまであるかはわかりませんが、25度前後をクーラーで維持すれば問題ありません。

ただ、夏場の水槽の引越し等で、衣裳ケースで1日入れておいた際に、28度くらいに上昇しましたが、それくらいの温度変化にはなんとか耐えてくれました。

以前、クーラーが25度にしようと稼働していたけど、センサーが壊れていて、22度近くまで冷やされていることがありました。

その時もなんとか持ち堪えてくれました。

温度変化はできるだけなくし、25度前後を維持していきましょう。

水質について

次に水質です。

水槽を一目見ただけでは透明そうであっても、その中にはとても多くの成分が入っています。

ありすぎると害になるものや、逆に不足してしまうとダメな成分などがあり、それらがちょうどいいバランスになっているとサンゴの調子は上がっていきます。

サンゴの不調の原因のほとんどがこの水質によるものだと感じます。

水質をしっかりと管理して、ナガレハナサンゴを状態よく飼育できれば、もう初心者ではないと感じます。

それぐらい飼育が難しいサンゴと言えるでしょう。

硝酸塩とリン酸塩

硝酸塩やリン酸塩は低めに抑えた方が、全体的に大きく広がって綺麗にユラユラしてくれます。

定期的に硝酸塩とリン酸塩の値を測定し、自分の水槽の値を把握しておくことをオススメします。

硝酸塩はゼロよりは少しある方が調子がよく感じました。一桁台の濃度に抑えていれば問題ないでしょう。

高くても10前後に抑えましょう。

リン酸塩は少ないに越したことはありません。

自分の水槽はほとんどゼロですが、とても綺麗に大きく成長してくれています。

硝酸塩、リン酸塩について詳しく知りたい方や値をコントロールしたい方はこちらも確認してください!

主要元素たち

カルシウムやマグネシウムなどの主要元素については、しっかりと管理した方が長く飼育できます。

特に気にしていなくて状態よく飼育されている方でも、急激な変動によって一気にダメにしてしまうという可能性があります。

長期的な飼育を目指すのであれば、硝酸塩やリン酸塩と同様に定期的な水質のチェックは行いましょう。

気にするべき値は、KHカルシウムマグネシウムです。

KHは8前後、カルシウムは430前後、マグネシウムは1300前後を目標にしましょう。

この値が絶対ではないですが、この値の前後をキープすることができれば問題なくサンゴは飼育できると思います。

私の水槽ではこの周辺の値のキープでソフトコーラルからミドリイシなどのSPSも問題なく飼育できています。


ここで大事なのは値の数値よりも、その決めた数値の変動をいかにさせないかだと思います。

間違いない方法は、1日に消費される主要元素たちの値を確認し、添加剤を使用し毎日補給してあげることで変動は限りなく抑えられます。

この3つの中では、KHの減少が特に大きいです。

油断しているとすぐに値が下がって、サンゴが不調を訴えてきます。

長期飼育を目指して、水質維持に取り組んでみましょう!

各主要元素たちの記事は別でまとめてますので、こちらも確認してください。

水流について

ポリプ全体がゆらゆら揺れるくらいがちょうどいいです。

ただし、水流の直撃は避けましょう。

ランダムな水流を全体的に当てれたらなおよしです。

よく飼育方法が記載されている記事とかみると「強すぎず、弱すぎず」ってのを見るんですけど、その調整が難しいんですよね・・・

水流の強弱をつけて本当の海のような「ザブンザブン」を再現できる高性能な水流ポンプも出ていますので、もし余裕があるのであれば購入するのがおすすめです。

照明について

強力な光は必要としないが、ある程度の光はあった方がいいでしょう。

弱い光でも飼育はできると思いますが、しっかりとしたサンゴ用のLED等を当ててやることで、ポリプが大きく綺麗にユラユラしてくれます。

餌は必要?

特に必要はなく、光合成だけで十分成長します。与えるとしたら、レッドシーのリーフエナジー等、液体フードを与えましょう。

飼育ポイントまとめ
水温 
25℃前後をキープしましょう。

水質
硝酸塩、リン酸塩はできるだけ少ないほうがいいので、添加剤で下げるか、定期的な水換えを行いましょう。
KH、カルシウム、マグネシウムの値を一定に保ちましょう。目標値はKHは8前後カルシウムは430前後マグネシウムは1300前後です。

水流
強すぎず、弱すぎず、全体がゆらゆら揺れるのがちょうどいいです。直撃は避けましょう。


サンゴ用のLEDが理想!


特に必要はないが、与えるなら液体サンゴフードを。

ナガレハナサンゴの毒性と配置について

ナガレハナサンゴの毒性は強いです!

ポリプの先端がちぎれて他のサンゴの上に落下した場合、そこだけサンゴが死んでしまいます。

コエダナガレハナサンゴよりはちぎれたポリプが飛んでいくことは少ない様な気がします。

こんな感じで被害を受けることもあります。

被害を受けたタバネサンゴ
被害を受けたトゲルリサンゴ

落下してすぐに取り除けばいいのですが、遅くなるとこんな感じでやられてしまいます。

ここから回復してくれることもあれば、そのままダメになってしまうこともあります。

それぐらい毒性は強いです。

ユラユラ揺れているポリプに接触しても当然やられてしまいます。

ですので、できるだけ他のサンゴとは距離をとりましょう。

この種のサンゴはスイーパー触手と呼ばれる長く伸びた触手で近接しているサンゴを攻撃してきます。

少し離しているだけではこの触手にやられる可能性がありますので、余裕を持ってサンゴを配置させましょう。

ただし、同じチョウジガイ科と呼ばれているユラユラサンゴの仲間のナガレハナサンゴとは隣同士でも問題ないです。

ぴったりくっついていても全く問題ありません。

レイアウトする場所ですが、水流が直撃せず、全体的にユラユラ揺れる場所であれば比較的どこでもいいと思います。

水槽の上部でもいいですし、中間、下部でも問題ありません。

ただし、先ほども言ったとおり毒性はとても強いです。

そのため、落下して他のサンゴの上に乗っかれば、下のサンゴはダメになります。また、ナガレハナサンゴの上に落下してきても終了です。

ナガレハナサンゴをライブロック上に乗せる際は、ヤドカリやシッタカ貝に押されても動かないように、コーラルグルーやホールドファストなどでしっかりと固定しましょう。

周辺にいるサンゴも落ちてこない様に固定するのが無難でしょう。

ナガレハナサンゴの成長記録

ナガレハナサンゴがどの様に成長していくのかを見ていきましょう。

水槽に入った際の様子がこちらです。

コエダナガレハナサンゴに続き、同時期にすぐに購入したナガレハナサンゴです。

この1株で5000円前後でした。

もっと大きい個体だとその分値段が上がります。

ポリプの出が今ひとつって感じですね。

全然調子が上がらないので毎日ヒヤヒヤしていたのを覚えています。

そしてこちらが約10ヶ月くらい経過した頃の様子です。

まるで白子のようで、かわいいですね!

調子良くポリプを出してくれていますが、大きく成長しているって感じはしませんね・・・

同時期に購入したコエダナガレハナサンゴはどんどん分裂して、大きくなっているのですが、ナガレハナサンゴの成長は遅かったです。

これに関しては個体差や水質の合う合わないがあるので、一概には言えません。

そしてさらに1年半くらいが経過したのがこちらです。


大きさはそんなに変わっていないですね。分裂して2つになってるっぽいですが、骨格は一つのままです。

ここから分裂していくのか。

ポリプの形も少し変化しているような気が・・・

そこからさらに1年半が経過したのがこちらです。

少しずつですが3つに分裂して、大きくなりました。

ポリプの状態も良好です。

約3年経過してもこれくらいの成長ですね。

大きくなりすぎて置き場所に困るということがないので、大きくない水槽でも安心かもしれません。

ちなみに同じくらい経過したコエダナガレハナサンゴがこちらです。

最初に購入したときの大きさは同じくらいでした。

おそらく水質がどハマりしたのでしょう。めちゃくちゃ成長してくれました。

近縁種とは言っても、成長スピードや調子の良し悪しに違いがあるのかもしれませんね。

ナガレハナサンゴを株分けしよう!

自分の水槽のナガレハナサンゴは株分けするほど大きくなっておらず、実施したことがないです。

しかし、要領としてはコエダナガレハナサンゴと同様ですので、そちらを紹介します。

こちらに関しては、枝状のブランチタイプの株分け方法になります。

カット方法

ソフトコーラルならカッターやハサミで簡単にカットして株分けできるのですが、ハードコーラルとなるとそうはいきません。

しかし、結論ニッパーがあれば大丈夫です。

ショップではアクアソーという専用のカットマシンでカットします。

このアクアソーは海水を噴射しながらカットしていくため、サンゴへのダメージが少なく何よりパワーが違います。

こう言うやつです。

とても欲しいですが、この機械の置き場所がない、そして金額が高いということで、アクアソーは無理です。

アクアソー的な感じで海水の入れたバケツにレシプロソーでやって見たのですが、刃が固定されていないためすぐブレるし、硬くて全然切れていきません。そして非常に危険です・・・絶対にやめましょう。

ニッパーで簡単にカットできます。

スパッとカットというよりは削りながら切っていくみたいな感じです。

まずカットの場所ですが、柔らかい白いところ(ワックス)ではなく、黒い部分をカットしていきましょう。

あまりにワックス部分に近いと、予想外に割れてしまった際にダメージが大きくなるので、できるだけ根本の方がいいでしょう。

この部分はいくら切ってもあまりダメージはありません。

カットしたい部分にニッパーを当てて、数回削りながら切っていく感じです。

無理に切ろうとしないで、少しずつです。

意外と柔らかく、簡単に削っていけます!

薬浴させよう!

サンゴ本体にメスを入れるソフトコーラルなどは、弱っているため病気に感染するのを防ぐ目的で薬浴しています。

今回の様に根本の骨格をカットした場合、細菌の感染等は個人的にはあまりなさそうに思えます。しかし、活力回復の意味合いから私は薬浴しています。

薬と言っても、中身はヨウ素です。

細菌類からの感染を予防し、さらにすでに抵抗力が低下したサンゴに再び活力を与えるための活性剤なのです!

うがい薬みたいなこちらのリーフディップを海水に規定量混ぜると、ディップ液の完成です。

カットしたあとはこのディップ液に浸しましょう。

時間は1分くらいで十分です。

説明書きにはもう少し長い時間つけるよう書いていますが、カットしたてのサンゴであればこれくらいでいいらしいです。

土台に乗せよう!

これはカットの前にやっておいてほしいことですが、カットしたコエダナガレハナサンゴをくっつける土台を用意しましょう。

小さめのライブロックやプラグがいいでしょう。

安いもので大丈夫です。いっぱい入っている方がお得だったりします。

そして、ホールドファストというサンゴ固定用のパテとコーラルグルーという接着剤も用意します。

このパテは2色のパテを混ぜ合わせると、固まるものでライブロックにサンゴをしっかりと固定したい時などに使用します。

コーラルグルーでは弱い時などに補強として使用したりします。

プラグの上にコーラルグルー、そしてパテを乗せます。

サンゴ本体が大きいのであれば、余裕をもった大きさにしましょう。

さらにその上からコーラルグルーを塗ります。

グルー、パテ、グルーのサンドイッチです!

その上にカットしたサンゴを乗せましょう。

ここで安定して接着させるために、カット面はできるだけ平にしておく方が乗せやすいです。

プラグの下の突起が邪魔であれば、事前にニッパーでカットしておきましょう。

コツとしては、ニッパーの先端部分のみをプラグにあて、思い切り力を込めます。

海水を入れたバケツの中でやることをオススメします。

まとめ

海水水槽を始めたばかりの方はこのユラユラ揺れる綺麗なナガレハナサンゴに憧れるのではないでしょうか。

私もその1人で、飼育したいけど簡単ではないイメージでした。

実際に飼育してみた感想としては、しっかりと水質を管理していれば100リットル程度の水槽でも十分に飼育が可能であるということがわかりました。

私の感覚的には、近縁種のコエダナガレハナサンゴよりは成長は遅く、状態よくポリプを出させるのが難しい印象がありました。

ただ、水質の維持に関して試行錯誤を行うことで現在は状態よく飼育できています。

照明の下でユラユラする蛍光色のナガレハナサンゴはめちゃくちゃ綺麗で、ずっと見ていられます。

そこまで簡単なサンゴではありませんが、飼育に挑戦してみる価値は十分にあるサンゴだと感じます。

是非みなさんも飼育してみてください!

最後まで見ていただきありがとうございました。

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